《第1回 10月14日(火) 16:30~18:00 第1会議室 》
テーマ「キリスト教と未来に関する小考」 発表者/聖カタリナ大学 キリスト教研究所長 兪 鍾弼
「未来」といえば、喜びと希望、苦悩と不安が交差する。科学と技術の発達、個人主義の深化、少子高齢化などで、楽観的な見解があれば、悲観的な展望もある。ここで、「キリスト教と未来」を真剣に考えなければならない。もちろん、それは、けっこう簡単な問題ではない。ここでは、「未来」の意味を吟味しながら、「キリスト教における未来」と「キリスト教の未来」について考えてみる。
テーマ「キリスト教絵画に見る時の表現」 発表者/聖カタリナ大学短期大学部 助教 荒西 伸吾
洋の東西を問わず、古くから美術作品の中で時をどのように表現するかについて、多くの試みがなされてきた。本発表ではキリスト教絵画を中心に、作品に見られる時制表現を分析し、作者の意図を考察する。
《第2回 11月11日(火) 16:30~18:00 第1会議室 》
テーマ「未来を担う看護学生と歩む看護教育」 発表者/聖カタリナ大学 講師 玉井 寿枝
創立100周年を迎えた聖カタリナ学園。1世紀に渡る時代や社会環境の変化、コロナ感染症を始めとする健康問題を受けて、看護および看護教育は変化している。これからの看護を担う看護学生のための看護教育について、変わらない看護の基本姿勢と時代に適応するものを考察する。
テーマ「聖ドミニコ宣教修道女会総会議から垣間見た修道会の未来」 発表者/聖カタリナ大学短期大学部 教授 竹田 信恵
今年の夏、スペインのレオンにおいて開催された聖ドミニコ宣教修道女会総会議に参加し、そこで見聞きした、各地域の現状や課題について報告し、修道会の未来について考察する。
《第3回 12月9日(火) 16:30~18:00 第1会議室 》
テーマ「社会的養護を行う者(社会的親)における内観について」 発表者/聖カタリナ大学 准教授 田村 優佳
先行研究(非行少年における集中内観法の効果検証)を通して、在院者(少年院に収容されている少年)の自己イメージ、家族イメージが向上することや対人不信感が緩和すること等の効果が見られた。本フォーラムでは、「親子」の内観に着目し、社会的養護を行う者(社会的親)への内観法の効果について文献的考察を行う。
テーマ「ヒト受精胚へのゲノム編集の倫理性―未来への分岐点」発表者/聖カタリナ大学 助教 時岡 拓磨
生命科学の進展により、ヒト受精胚へのゲノム編集が可能な時代になった。この技術で、難病の治療法開発が進展する一方で、遺伝子改変した「デザイナー・ベイビー」を誕生させることも技術的には可能になった。本発表では、「神から授かるいのち」が「人間が作るいのち」に変わると、どのような未来が待っているのかについて考察する。
《第4回 1月13日(火) 16:30~18:45 第1会議室 》
テーマ「聖歌の伝えるもの」 発表者/聖カタリナ大学短期大学部 助教 和泉 昌枝
クラッシック音楽の源流と言われる聖歌。聖歌は、キリスト教の信仰、神の賛美、人々に希望や慰めを与える歌とされている。長い歴史の中で、文化や時代に影響を与え受け継がれてきた聖歌のこれまでと、今後の可能性について考察する。
テーマ「昔話とresilience」 発表者/聖カタリナ大学短期大学部 教授 遠藤 文子
昔話には、理不尽な悪意にも負けずに立ち向かう人々の姿が描かれているものが数多くある。本発表では、絵本やテレビアニメ等で広く知られている「花咲爺」をresilienceの視点で読み解き、考察する。
テーマ「松山市駅キャンパスの過去・現在・未来――カトリック松山教会×聖カタリナ学園の100年」発表者/聖カタリナ大学 教授 宮武 信枝
聖カタリナ学園の歴史は、現在看護学部と大学院のある松山市駅キャンパスに、久保町と呼ばれた頃カトリック松山教会ができた過去にさかのぼる。「美善女学校」が開校して教会は三番町に移っても、福祉・看護・医療にかかわる活動などが展開されていった。100年以上前からこの地に込められている人々の体と魂への配慮という未来への使命を考察する。
《第5回 2月10日(火) 16:30~18:00 第1会議室 》
テーマ「地域を支える日常型の地域貢献活動と宗教の社会資源としての役割について」 発表者/聖カタリナ大学 教授 釜野 鉄平
これまでのフォーラムでは、キリスト教や仏教を背景とした地域貢献活動に関する先行研究から、行事・イベント型の活動と比較して、地域住民の日常的な困りごとや不便に対応する日常型の活動へのアプローチは少ないことを明らかにしてきた。ここでは、地域社会におけるインフォーマルな社会資源の必要性を確認し、そこで期待される宗教の役割について考察を行う。
テーマ「高次脳機能障害者の家族の思い」 発表者/聖カタリナ大学 准教授 村上 佳子
誰にとっても、思い描いた未来ばかりが訪れるとは限らない。予期せず高次脳機能障害者の家族となった方々へのインタビュー調査から、家族がどのような思いを抱き、そして生き抜いてきたのかを考察する。